腸脛靭帯炎(ランナー膝)の患者さんが、ウルトラマラソン完走です!

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膝の外側に痛みが出る腸脛靭帯炎(ランナー膝)で通院されている患者さんが、飛騨高山ウルトラマラソン(100キロ)を完走したと報告してくださいました。

でも、完走できたのに、出てきた言葉は、

「すみません、走っちゃいました‥」でした。

申し訳なさそうに言われたその理由は…

ランナーの患者さんは27才男性。職業は看護師さんです。今年3月のフルマラソンで左膝に強い痛みが出て以来、一時的に良くなるものの、また走っては痛みが出ることの繰り返し。

思うように走れない日が続いていました。ここ数週間は、ランニングをストップされていました。

お話しを伺うと、1か月後に、人生初の100キロマラソンにエントリーをしているとのことでした。しかし、状態から見て、参加は難しいと思っていました。

目先のレースではなく、これから先のことを考えるべきとお話しして、患者さんも今回は仕方ないと納得されていました。

全身の筋肉に硬さがあり、特にお尻回りや太もも、足首の硬さが強い状態でした。

「走れないことがストレスです」と言われていましたが、今は我慢して、施術に併せて、有効なセルフケアに取組んでもらいました。

当初、日常での階段の上り下りでも痛みのあった膝は、少しずつ改善されて、屈伸をしても痛みが出なくなったので、少しずつランニングをしていくことをお伝えしました。

しかし、気持ち的に不安があるようで、

「せっかくここまで良くなっているのに、走るとまた痛みが出そうで…」

と走ることに消極的でした。

こういう心理的な状況は他の症状でも良くあります。これは、気持ちや体が「痛みを記憶している」ということも考えられます。

条件反射と言ってもいいと思いますが、「こうすると痛い」、「これ以上やると痛くなる」という経験が、精神的なストレスとともに、体にとって一つの学習となり、筋肉や関節の動作時に刻み込まれているということなのです。

同じような転倒やケガを繰り返してしまう場合も、このような動きのクセが原因になっていることもあると思います。

痛い、怖いという緊張が、筋肉を委縮させてしまい、本来できるはずの動きをブロックしているようなものです。

ですので、今回の場合も少しずつ動きを確認しながら、体に「ここまでやっても大丈夫だ」ということを上書きしていくように、段階的に動いてもらうように伝えました。

3回目の施術終わりに、正座をしてもらったところ、「あれ、全然痛くないですね」と、自分でもびっくりされていました。こんな体の変化に気付くことも、「記憶」のリセットにもなります。

そして、1週間後の次の来院日、話を聞くと、「10キロ、20キロまで次第に距離を伸ばしても膝は痛くありませんでした」と言われました。さらに、

「いい調子なので、来週のウルトラマラソンも行けるところまでいってみようと思います」と。

自己管理はきっちりできる方だと思い、「無理をすると戻りますよ」と“チクリ”と伝えてお任せしました。ここで、冒頭の言葉、

「すみません、走っちゃいました」につながります。

100キロ無事完走!

ゆっくりのペースではあるものの、完走されたそうです。思うように調整もできていない中、初の100キロですから、本人も意外だったと思います。

レース中に、反対側の右足の土踏まずに痛みが出たそうですが、大したことはないようです。

正直、私も「何キロまで走れたかな?」ぐらいに思っていたので、過酷なレースの完走は一緒に驚きでした。私の忠告は完全にスルーでしたが…(^^;

 

今回のケースは、痛みの出るランニングをストップされたうえで、継続的に施術を受けられ、シャワー中心だった習慣をお風呂に入るように変えて体を温められたこと、セルフケアに取り組まれたことなど、症状が早期に改善することにしっかり取り組まれた結果です。

そして、報告の言葉の中に、体の状態が改善されたことを表す大切なポイントがありました。それは、

「走ったあとの膝の痛みもなかったですし、意外に、筋肉痛や疲れも少ないんです」

の言葉です。

全身の筋肉の緊張がとれて、柔らかくなることで、血流がよくなり、疲労物質も流れるので、代謝が進み体本来の機能が働くようになります。

その結果、体の回復が早くなり、疲れにくい体になっていきます。また、免疫力もアップすると同時に、疲れや体の不調に早く気付くようになり、その感覚が早めにきちっと休む習慣につながっていくのです。

患者さんは看護師さんですし、今まで、ご自身の体のケアも十分されてきたはずです。しかし、膝の痛みが出たことで、自分の体がここまで硬かったことをはじめ、体の特性を知る気づきがあったようです。

「来月もまた、100キロを走る予定なので、仕事のシフトが決まったら、予約を取ります」とのこと。

「えっ、また100キロですか?」と思わず口に出ちゃいました(^^;

痛みには必ず原因があります。治った、良かった、だけではなく、ケガを負ったことで、自らの動きや日常生活を見直すことに目を向けてもらうことが、私たちの役目であり、はじめの一歩だと思っています。

 

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山田 泰行(やまだ やすゆき)
FMT整体新大阪駅前院 施術家  京都府京丹波町出身。2男1女の父。長男のケガがきっかけで施術家に転身。患者さんとのご縁に感謝し、現在進行形で学んでいます。「心と体のつながり」,「自然の大切さ」,「当たり前にあるもの」をテーマに、体が本当に求めているものを伝えていきたいと思います。
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